忘れる=資産の喪失!?

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 From:高橋政史

渋谷のカフェより、、、

 

人間は「忘れる生き物」と言われます。そして、忘れる=学びの最大の敵、というのは多くの人が「そりゃ、そうだよ」と思うことではないでしょうか。

「忘れる=記憶に定着させることができない」と、学校の勉強では点数がとれませんし、資格試験や仕事でも「忘れる=覚えていない」ということは学びのチャンスを逃す痛いことになります。

でも、今回は私たちがよく知る、、、

「忘れる=記憶の喪失」
→テストで点数が取れない

というテーマではなく、

「忘れる=資産の喪失」
→一生の財産が目減りする

という視点で、お話をしていきましょう。

一生にわたって影響を及ぼす「忘れる=資産の喪失」とは何か?

みなさんの日常に潜む膨大な学びのリソース(資源)の喪失をもたらす「忘れる」ことを防ぐ方法についてお伝えしていくことにします。

 

学びの「3つの段階」

 

あなたは、学びには段階があるということをご存知でしたか?

しかも、その段階には「3つの段階」がある。ということ…。

学び、「3つの段階」とは?

それは、、、

レベル1.情報を知識にする「学び」

レベル2.知識を知恵にする「学び」

レベル3.知恵を叡智にする「学び」

 

それぞれ、説明していきましょう。

 

レベル1.情報を知識にする「学び」

これはどいうことかというと、本やネットや講座さらには日常の中で触れた情報を、自分の中で体系化(構造的に理解し)し、自分が使えるような知識へとする「学び」です。この「学び」ができると、丸暗記=得た情報をそのまま覚える、コピペするような単純作業的な脳の使い方(学習)から解放され、より、ワンランク上の「学び」へとシフトすることができるようになります。

レベル2.知識を知恵にする「学び」

これは、自分で整理して体系化(構造的に理解)した知識を、実際に「使える」ように実践・訓練していく過程で、「わかる=知識」のレベルから、「できる=知恵」へとシフトする瞬間に起る「学び」です。この知識から知恵にシフトするとき、必ず「体験」という「身体を通して経験する行為(やる)」ことがそこにあります。図式化すると、

知識 →→→実践=体験(身体)→→→知恵

じつは、この過程(知識を実践に置き換える過程)で、じつは使えない知識というものにたくさん遭遇します。そこで、使えない知識を捨てる、使えない知識(背景や環境の違いにより)を自分の今にあうように工夫して、試行錯誤を繰り返し、新たな知恵を生み出すようになるわけです。

レベル3.知恵を叡智にする「学び」

こちらの段階では、「シンプル化の力」そして「言葉の力」が必要となります。例えば、職人の知恵を伝承するのに「口伝」や「背中を見せる」という行為が行われます。伝統的な知恵の継承の仕方です。でも、これでは伝承できる範囲・人数が限られるわけです。それを、後世に引き継がれる、あるいはより広い範囲の人が「使える」ようなカタチ=書籍や聖書のようなバイブルそして最近では動画という、誰もがアクセスできるようなカタチで提供する必要があります。そこで、言葉という道具を使ってシンプル化して、知恵を誰もがアクセスできるように「カタチ」に落とし込んで叡智とする段階となります。

 

レベル2.の「学び」の敵は「忘れる」

 

上記の学びの「3つのレベル」において、丸暗記したことを忘れるという次元の「学び」がないことに気づかれたでしょうか。ということは、私たちが「忘れることは学びの敵=暗記した知識を忘れてしまう」ということとはどうやらちがう。ということに気づかれたかと思います。

鍵を握るのは、レベル2の「知識」を体験を通して「知恵」に置き換える段階です。この段階で、私たちは「忘れて」します。ゆえに、じつは他の人から見ると、知識を使って「かけがえのない体験」をしていて、そこに「知恵の種」があるのに、その種に芽を出させ、その種から育った何かが「未来」にインパクトをもたらす機会をみすみす見過ごすことが日常的、いたるところで起きています。

それは、忘れてしまう…ことが原因です。

試しに、ひとつ質問をしてみましょう。

あなたは、過去3ヶ月の中で、本やネットさらにはセミナーや講座で通していろんな情報を仕入れて、その情報の一部を自分化して知識として手に入れているカードがいくつもあると思います。そして、その知識というカードを切って、実際になんらかの行動をしたと思います。当然、うまく機能したものと、機能しなかったものがあると思います。で、ここからが問題(忘れるがかかわるところ)で、そのあなたの「知識を使って機能した体験(つまり成果体験)」を、第三者に魅力的に物語れるような知恵となっているでしょうか?

もしも答えが「NO」だとしたら、あなたは膨大な資産の山を放置してきたことになります。どういうことか?あなたとあなたが関わるクライアントの「そこにある現実」を「価値ある未来」へとシフトしてくれるものは「生きた知恵」です。そして、その「生きた知恵」というのは、あなたの体験を通してでしか得ることができないかけがえのないもの。そして、その体験が実を結びひとつの成果へとたどり着いたとき、その体験が魅力的な物語として整理されていなければ、その成果体験は一過性のもので、再現性ある知恵へと転化できていない残念な事態が発生しています…。価値ある体験が「知恵化」できたとき、その知恵は「価値を再生産」する力として機能します。

 

原因はノートにあった…。

 

そして、この体験を「知恵」に転化できない最大の原因は、じつはあなのたノートの上にある。と、知っていました。もしもあなたが、知識を体験を通して「知恵」にすることができていないとしたら、あなたのノートはその「リアル」を克明に映しだしています。どういうことか?あなたのノートには、

・得た知識を、

・こんな体験を通して使い、

・結果、どうなったか?

・それを今後に活かすとしたら、

・ポイント整理すると、、、

というような知識を「使える」ように実践・訓練していった結果、価値を生む「知恵」にできたその一部始終の「記録」があるでしょうか。

ノートの上に知恵が見当たらない…。その理由は、そもそも「ノート=知恵の種を育てる場所」だということを知らなかった、正確には誰にも教えてもらうことがなかったということ。そして、「ノートの正しい使い方=学びの3つのレベルを制するための使い方」を教えてもらってこなかっただけ。

だから、いま、あなたが価値を生む知恵がノートの上で日々誕生していなくても、自分の能力や才能のせいにする必要は、1mmもありません。

問題は、あなたの能力や才能まして経験ではなくて、

原因は、ノートにありました。

誰も、あなたに「学びの3つのレベル」を駆け上がるための「正しいノートの使い方」を教えてくれなかっただけです。

さっそく、今日から、あなたの体験というかけがえないのないことを通して、他の人が豊かになる知恵づくりを、ノートの上ではじめてみてください。

それでは、またお会いしましょう。

高橋政史

 

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