キーワードは「整理」

佐藤可士和_整理術

【キーワードは「整理」】

なんだ、と思うわけです。数年前に、師の「高橋さんは整理の人だから」というひと言が、私に「自分のメインテーマは、”整理”なんだ」と認識させました。以来、「整理」というテーマで学び、生きてきました。

思えば、ベストセラーには「整理」をテーマとしたものが多く見受けられます。

外山滋比古さんの『思考の整理学』をはじめ野口悠紀夫さんの『超整理術』、そして佐藤可士和さんの『超整理術』まで、キーワードは「整理」。変わったところですと、サッカー日本代表の長谷部誠さんの『心を整える』といったところも。

佐藤可士和_整理術

「こうすれば、うまくいく」という「正解=欧米に追いつき追い越せ」があった戦後の高度成長期からバブルの時代にかけては、「整理」する必要がなかったのかもしれません。なぜなら、「正しい答え」もあり、その答えにいたる筋道(ロジック)も「1+1=2」というような単純なものだったから。そう、「整理」する必要がなかった時代。

「整理」のかわりに求められたのは「正解」。
「正解=こうすればうまくいく答えを覚える」こと。

でも、時代の歯車は21世紀へ展開しはじめる20世紀後半。インターネット爆発で、膨大な情報にさらされ、おまけに「正解」のない世界に。そう、

「正解がない」世界で、
「膨大な情報」を扱う。

これが21世紀の教育とビジネスでの「前提条件」。何ごとも、前提条件が変われば、必要とされる「鍵(キーワード)」が変わる。かつて、その鍵をもっていれば開けることができた「扉(時代)」も、いつしが次の「扉(時代)」へと展開していく。

そのとき、手にすべき「鍵(キーワード)」は何か?

「正解のない」世界で、「膨大な情報」を扱う、そんな時代。

手にすべき鍵は「正解力」ではなくて「整理力」。

そう、つくづく思うしだいです。それと同時に、なぜ自分がいまの仕事をしているのかを改めて認識させられます。

これからも「整理道」なるもの、21世紀の教育とビジネスで求められる(じつは、20世紀にも、19世紀にも、整理できる人は卓越しましたが、21世紀は全員が整理することを必須科目とする時代)その「整理」のカタチを世の中に送り出していけたらと思っております。